第32章 始まりの、この場所で(木葉エンディング)
相変わらず泣き上戸な木葉さんは弱音を吐き出すと止まらないようだ。
嫉妬とか格好悪いって思っているのか、自分にとっても仲間である皆の前で情けない姿を晒したくないのか。
2人きりになって、酒の勢いで口に出せる今のタイミングまで我慢したんだろうな。
だから、木葉さんが一番嫌いなだろう言葉をあえて使う。
案の定、悲愴感に溢れた悲しい顔をしていた。
「…私は木葉さんの彼女で、木葉さんが独占して良いんです。
だから、嫉妬してるの、我慢する必要ないです。木兎さん達とばかり話すの、嫌でしたら言って下さい。」
今なら続きの言葉を話して伝える事が出来るから、否定された気分にはならないで欲しい。
貴方を何度も傷付けた言葉で、今度は救いたい。
「…そっか。」
木葉さんは納得した一言を呟いて笑ってくれた。
ただ、その笑顔はなんというか妖艶…はっきり言うとエロい感じで。
思い出したのは自分の元に通わせる為に噂まで流したこの人の独占欲の強さ。
それを表に出して良いと口にしてしまった事でスイッチが入ってしまったようだ。
腕を引っ張られると体が反転して、ソファーの座面に背中が押し付けられた。
「俺のもんってシルシ、沢山付けさせて。」
「…あの、部屋に行きませんか。」
嫌な訳じゃないけど、ソファーとか汚しても洗えないし、なんて現実を考えている。
今にも襲い掛かってきそうな木葉さんを制止したけど、止まってくれる気はないようでシャツの裾が掴まれていた。
「我慢する必要ない、だろ?も、限界。アイツ等いた時から俺の痕付けたくて堪んなかった。」
いやいや、人前で何をしようとしてたんだ。
それは我慢して頂かないと困る。
と、いうか我慢しなくていいって言ったのは嫉妬とかですから。
「つー訳で、イタダキマス。」
「え、いや、あの。…どうぞ召し上がれ?」
結局、私が木葉さんを拒否するなんて出来る訳はなくて、その場で夜を明かした。
木葉エンディング‐end.‐