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縁側で鼻歌を

第1章 誠心誠意頑張ります。


歴史なんて不得意中の不得意で
ましてや名将もよくは知らない自分が
審神者に任命されるとは思いもよらなかった。

審神者というのは、有名な戦国武将とか、そういう人たちが携えてた刀に人の姿を与えて、刀剣男子と呼ばれる彼らを率いて歴史を改ざんしようとする相手から歴史の流れを守るっていう、あの審神者で。

もう暫く恋人もいない、熱中できるものもない
歳なりに色々経てはいても大して積み上げたものがあるわけでもない。
…考えれば考えるほど私には務まると思わなかった。

それでも今まで何となくで過ごして来た故に回って来た就職難民の自分にはこの上ない話で、私は即答して、それから就任までの一ヶ月間かなり勉強した。

とりあえず審神者は何をする人なのか、命に関わる問題なのか、後本丸の資材管理をするにあたってのマネジメントなど、主に審神者として務める上で必要な事を。

小さい頃に亡くした親に、審神者を務めて見せれば立派な姿を見せられると思って頑張った。
今までの適当な勉強も、いざ仕事となるとスラスラできるもんだなぁ、と思いながら。

そういえば、椎名さんは仕事が早いのね、なんて、昔のバイト先でパートさんに褒められたっけ。

刀剣男子達についても調べようか迷ったけれど、何となく他人の個人情報を盗み見ている気がして出来なかった。

人の姿をしているそうだから、本人達に話してもらえればいい。
きっとその方が、調べ回られるよりいいだろうから。

そう思って審神者の事だけ用意周到に学んだ私は、支給品である軍資金と衣服(自前もいくつか)、それから自前のお弁当とこの一ヶ月間の私を鍛えてくれたノートを持って、政府から指定された施設に赴いた。
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