第1章 知らない人からの手紙
シオンの言葉にメグミは笑った。
「あなたがそんな心配する必要ないわ。」
ミライの頭を優しく撫でた。
「私はいいと思うわよ、ホグワーツ。だって素敵じゃない魔法なんて。」
「それに貴方ならきっと上手くやれるわ。」
メグミは飲んでいた紅茶のコップを置き、ほほえんだ。
優しい表情をしている。
ーーーホグワーツに行けば魔法が使えるようになる、自分の見たことのない世界が見れるんだ……。ちょっと怖いけどやってみたい。
「私、行ってみたいです。自分がどれだけやれるか挑戦してみたい。」
ミライは乾燥した唇を舐めた。
覚悟を決め、マクゴナガルの目を見て緊張した様子で答えた。
「では決まりですね。ホグワーツで会えること、楽しみにしていますよ。」
マクゴナガルはにっこり笑い手お差し出した。
ミライは一瞬なんだわからなかったが、慌てて握手した。
両親とも握手を交わし、マクゴナガルはミライに手紙を渡した。
その後、静かにドアの外へ消えて行った。
外には相変わらずどんよりとした灰色の空が広がっている。
人影の少ない外に残るのは、優雅に歩くトラ猫のみだった。
ミライは黄色味がかかった封筒を見た。
エメラルド色で宛名が書いてある。
ギルフォード通り、
三番地、
ミライ・クロサキ様
中から手紙を取り出し、読んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ホグワーツ魔法技術学校
校長 アルバス・ダンブルドア
マーリン郡賞、勲一等、大魔法使い、魔法戦士隊長、最上級独立魔法使い、国際魔法使い連盟会員
親愛なるミライ殿
このたびホグワーツ魔法技術学校にめでたく入学を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。教科書並びに必要な教材のリストを同封いたします。
新学期は九月一日に始まります。
敬具
副校長ミネルバ・マクゴナガル
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「九月一日からか、楽しみだな。」
ミライの表情にはもう不安の色も緊張の色もみえなかった。
今はただ喜びと期待が溢れていた。
2016.12.13