【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第31章 あとがき
セリシアside
さっきの青い…少し水色っぽいストーンとは異なり、こっちは透明で光り輝くストーン。
「おまじないの方がターコイズという宝石です。繁栄、成功、強運…そんな意味があり新しい王女様には必要そうな効果だな、と思いまして。」
宝石には意味があるっていうけど、確かに今の私にはぴったりかもしれない。
これがターコイズ。
「それからこっちは…ダイヤモンドといいまして「ストップ!」は?」
恥ずかしいのかな、早口で説明してくれるけど、言葉は今いらないかな。
代わりに、無性にキスがしたくなって。
チュ…
軽いリップ音がなる。
ピタリと言葉を止めたジャーファルに、ありがとうともう一度言った。
「それにしても…」
両方とも、それぞれ可愛い柄が彫られている。
「…キレー…」
思わず見とれてしまう。
右手にはおまじないの指輪。
左手には愛の指輪。
どちらも、ジャーファルがくれたもの。
その事実がなんだかすごい嬉しかった。
「…ごめん、私何も用意してない」
手紙は残してきたけど、それはみんなに宛てたからな…。
「気にしないでください。私の勝手ですから。」
「ええ、でも…あ。」
思いついたものは、正直あった。
…でも、こんなものでいいのだろうか?
いくらなんでも…。
「どうかしました?」
言葉を途中で止めたからか声をかけられる。