【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第30章 ハッピーエンド
セリシアside
「ん・・・。」
一瞬の違和感があって、ちょっとだけ声が出る。
でもその違和感もすぐになくなった。
「「セリシア!!」」
誰かが私を呼んだ。
目を開けると、視界に入ったのは私を覗き込むヤム姉とピス姉。
「・・・ヤム・・・姉・・・。ピス・・・姉・・・。」
やっとの声で名を呼ぶ。
声を出すのもなんかつらい。
体を起こそうとするけど、うまく動かない。
「セリシア!」
デアルの声がする。
ってことは、いるんだ?
今度は半ば無理やり体を起こす。
って、重くね!?
「・・・お帰り。」
デアルが少し離れたところから言う。
「・・・ただいま。」
今はそれだけ言えればいいと思った。
ママの話は、またいつか言えばいいって。
「ジャーファル、お疲れ様だったな。」
シンドバッドさんがジャーファルさんを起こしてそう言う。
ジャーファルさんもちゃんと元に戻ってこれたようだ。
良かった。
シロナには感謝しないとね・・・。
「ああ、帰ってこれたんですね・・・。」
ジャーファルさんも安心したようにこっちを見てから言う。
・・・迎えに来てくれえたジャーファルさんにも、お礼を言わないと、ね。