【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第29章 39
ジャーファルside
「お母さん・・・?」
話が読めなかった。
不公平だとかなんだとか言ってますけど・・・。
帰らない、というより、帰れない・・・と言うことでしょうか?
「ここまで手間取らせてごめん。もう、帰って。」
そうはいうけど、帰れるわけがない。
それより、だ。
「・・・あなたのお母さんが、どうか・・・したのですか?」
既に死んでしまったと言っていたはずだ。
それも、セリシアさんがまだ11歳だと言っていたはず・・・。
「・・・私のお母さん、私と同じように扉を開いて死んだんだよ。」
そうか・・・。
その一言でぴんときた。
彼女は母親と同じ状態なのに、自分だけ助かるのがおかしい、ということなんだ。
・・・でも、やはり反論と言うか、そういうものが浮かんでしまう。
・・・これは自分がひねくれた性格なのでしょうか・・・?
それとも、スノーウェル家が単に時々変なとらえ方をする・・・ってことなんでしょうか?
「私が助かるというのなら。なんでママは助からなかったの・・・。何であの時は方法がなかったの?」
セリシアさんは、下を向いてつぶやく。
これは、重症ですね・・・。
過去にとらわれ過ぎている。