第29章 ３９

セリシアSIDE


「セリシアさんが好きだからですよ・・・。」

・・・は？
今、好きっつった？
私を？

「さっき、この空間で告白された時、嬉しかったんです・・・よ？好きって言ってくれて、ホント嬉しくて・・・。」

「嘘・・・でしょ？」

いや、これで嘘ですって言われても悲しいんだけど。

「嘘でこんな恥ずかしいセリフ言いませんよ。」

そりゃそうだ。
あー、でもシンドバッドさんあたりならいいそうな気も・・・。

「セリシアさんが、自分の好きな人がいない世界なんて、もはや私には何の意味もないんです。今までの何倍も色あせて見えるでしょうね。」

「え・・と・・・。」

なんて反応するかわからなくて私までうつむいてしまう。

「・・・だから、帰りましょ？私は、あなたと帰ります。今度こそ、ちゃんと。」

帰る・・・か・・・。
うん、帰りたい。
それは、やっぱり思っちゃう。
だけど・・・。

「おかしいよ・・・それは。」

どうしても、思うことがあった。