【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第25章 バッドエンド?
ジャーファルside
「―――――セリシア・・・!セリシア!!―――――」
誰かの声が聞こえる。
一人じゃなくて、複数の声だ。
「―――――魔力を・・・はやく・・・!!!」
「―――――ダメです…!受け付けません・・・!!」
「―――――セリシア・・・!!」
セリシア。
その名前をもう一度呼ばれ、ようやく目がさえてくる。
今度はさっきまでと違い、はっきり目が覚めた。
そうして体を起こす。
「セリシアさん・・・??」
ついさっきまで話していた彼女の名をつぶやく。
一緒に帰る、なんて言ってたくせに、扉をくぐらなかった彼女。
好きと言ってくれた彼女・・・。
「急いで!セリシアを運ぶのよ!」
そう周りの魔導師に呼びかけるのはヤムライハ。
「ジャーファル、起きたか。すまんが、ちょっと待っててくれるか。」
シンがいつのまにか隣にいた。
彼の顔は、大分深刻な顔だ。
「わかりました。」