【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第23章 堕天直前
セリシアside
「突然どうしたんだ。堕天は収まるし、お前は倒れるし…。訳がわからんぞ。」
「ええ、私もいまいちわかってませんよ・・・。けど、もう堕天はしません。安心してください。」
堕天はもうしようとはしない。
だって、運命を恨んでしまうってことは、この時をなかったことにするってこと。
つまりジャーファルさんと会えたことを否定するってこと。
それに気が付けたから。
「それより、です・・。」
壁に寄り掛かっていた体を動かして立つ。
ジャーファルさんのことで、気になることがあった。
巫女姫が言っていたこと。
生かせる方法。
それが気になった。
「ジャーファルさん・・・。」
方法なんて、あるのかな・・・。
・・・違う。
ある。
ああ・・・そうか、そういうことか。
巫女姫としゃべれたのも、今感じたのも。
私、封印が解けたからなんだ。
そっか、そうだったんだ。
・・・ああ、うん・・・。
「シンドバッドさん。私、ちょっと部屋に行ってきます。」
「お?おう・・・。一人で大丈夫か?」
「はい。むしろ一人になりたくって・・・。」
「そうか・・・。」
そう言って部屋を出た。