【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第22章 勝利
セリシアside
「嬉しい?」
いつもの場所で休憩してる時。
そう打ち明けてみた。
「はい。だって、前倒れた時なんかは何にも言ってくれなかったですもん。でも今は、症状をちゃんと訴えてくれてるから。」
頼ってくれてる、というか、打ち明けてくれてるのが嬉しいのだ。
「それは・・・まあ、怒られちゃいますからね。黙ってて何かあったら。」
「そりゃ怒りますよ。もちろん元気になった後で、ですけど。」
だって心配するのは当然だよ。
でも実際そうなったら、怒れるのかな?
だってこの前、そんなに怒ってないはずだし・・・。
「それにしても、ここはいいですよね~。風は気持ちいいし、国は見渡せるし。デアル、この景色をしらないなんて。ちょっとかわいそうだよ。」
デアルは今、国外にいる。
また旅に出たのだ。
「・・・ですが、それだと私たち二人でここにいられることは減っちゃいます。それは・・・嫌です。」
・・・え?
「え、どーゆー感じの意味です、それ・・・?」
「どういう意味だと思います?」
疑問形を疑問形で答えられたよ。
っていうか、わからないからきいたのにー!
「さて、と。戻りましょうか。まだまだ仕事はありますか・・・ら――――――――」
・・・え。