【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第3章 出会い
何か月かぶりに、シンドリアでの宴が始まった。
久しぶりということで、みんな気分が上がっている。
ただ、この国の政務官、ジャーファルには気がかりが残る。
「またシン、何かしないでしょうね…。」
何度か重ねた宴では、もうよくある話。
国の王シンドバットことシンがよく酒によって女に手を出すのだ。
おかげで何度めんどくさいことになったものか。
あるときは謝罪で何とかなったし、ある時は慰謝料を請求されたり。
めんどくさいの一言に尽きる。
そのシンはすでに宴に向かった。
彼の机の上の書類は…ほとんど、いや、たぶんすべて終わってない。
幸いなことに急ぎの用事はない。
だが、たまっていく一方だ。
「全く・・・。」
呆れながらも、ジャーファルも宴の席に行くことにした。
民の様子を見るのもいいものだから。
…ついでにいうなら、シンの監視も可能だ。