【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第22章 勝利
セリシアside
その後もいろんなところを回っては、負傷者を助けて、なんて繰り返してたら思った以上につかれた。
日はだいぶ沈んでるよ。
もうむしろ暗いぐらいだよ。
「そろそろ帰りますか・・・。さすがに暗いですしね。」
「はい・・・。」
やばい、大分疲れた。
眠いよ・・・。
「眠そうですね。これでもう帰りますから、終わりますよ。ご飯食べて、風呂に入って寝てください。」
「そういうジャーファルさんもだよ?返り血、まだまだついてるんだもん。」
負傷者を助けた時のものはもちろんなんだけど、あの王を倒した時の返り血。
顔にとんだやつとかはとっくに落としてるんだけど、服が無残にも真っ赤というか真っ黒と言うか。
「ああ、そうですね・・・。こりゃしっかり洗わなくてはなりませんね・・・。
「あ、ちゃんと洗うんだね?」
「そりゃもちろん。ついでに洗っときましょうか?」
「いや、いいです…。」
この人、無駄に生活力あるよね。
すごいと思うよ、ほんと。
「・・・お疲れ様です、セリシアさん。」
優しい声色で、微笑むジャーファルさん。
「・・・うん、お疲れ様。」
これで、終わったんだ、仇討ちも戦争も。
これでいくらか落ちつく。
平和な日々が訪れる。
そんなことを考えていた。