【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第21章 戦争終了まで
セリシアside
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
「いい加減にしなさい!!」
自分の頬がじんじんと痛む。
「人の命がいかにはかないのか、あなたは知っているんでしょう!?」
ジャーファルさんの眼は切実に訴えていた。
「そりゃあ私はウィリランデの国王がどんな奴かなんて知りません。本当に、最悪な奴なのかもしれません。ですが!!」
私の眼を見て、はっきりと答える。
「死んじゃえなんて簡単に言わないでください!」
ようやくはっとした。
私、今まで復讐にとらわれてたんだ・・・?
「復讐にとらわれては・・・いけません。・・・我を忘れてしまうでしょう?」
うん・・・そうだね・・・。
思いっきり、忘れてた・・・。
「どんなににくい相手でも、そのためにあなたが穢れることはない。」
諭されてる気分だった。
だけど、一つだけ。
些細なことだけど、私の中で反論する意識があった。
それは、それに気づいた途端、膨張するようで。
言っちゃだめっていうことが脳裏に浮かんだ。