【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第21章 戦争終了まで
セリシアside
「・・・。どうして、こんなことをしようとしたんですか。」
デアルが離れて、ジャーファルさんが問う。
「どうしてって・・・。当然でしょ?祖国の仇、うつため。」
故郷をつぶされたんだ。
帰るところを、失ったんだ。
仇を討つのは、当然だろう。
「・・・馬鹿な真似を・・・。」
っ!
「馬鹿な真似なんかじゃない!!!」
イライラは爆発した。
一度爆発したなら言ってしまおう。
思ったこと、全部。
「仇を討って何が悪いの!?帰る場所、あいつらのせいで亡くなったんだ!命をもって償わせないと、怒りは収まらない!それにあんな自分勝手な国王、許せない!あいつがいたら、ウィリランデにだっていいことない!」
「だからと言って、人を殺してはならないでしょう。」
「ふざけんな!そんなこと言ってられないよ!罪のない人が無駄に死ぬのはおかしいと思う。けどアイツには罪がある!私たちの国を滅ぼした!他にも戦争を繰り返してる!」
冷静に諭すように言うジャーファルさんにも、食って掛かる。
止まんなかったんだ。
「こんなの、不公平だ・・・!なんで懸命に生きた善人が死んで、民の命を命とも思わないあんなやつが生きてんの・・・!?」
そんなの、おかしいよ。
ひどいよ!
「しんじゃえばいい!あんな奴、さっそと死ねばいい!」