【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第21章 戦争終了まで
セリシアside
「なにこれ…!」
第一線に来て、私は言葉を失った。
辺りのほとんどが、赤、赤、赤。
「っ・・・!」
みんなは。
みんなは無事なのか。
それだけが気になった。
だけど。
第一線の前の方にいる八人将の姿を見て、安心した。
「みんな・・・!」
一言、漏れた。
すると、ジャーファルさんがこっちを向く。
一瞬驚いたような顔をしたけれど、対戦中なのをすぐに勝利でおさめて近づく。
「セリシアさん・・・!」
「よかった。無事だったんだね?」
「ええ、こちらは。あなたも無事でよかった・・・。」
すると、ジャーファルさんはぎゅっと抱きしめてくる。
その感覚がうれしくて、されるがままになっていた。
「心配、してました。内部に侵入させないよう、必死になって戦ってました。それでも、全員を防ぐことはできなくて。・・・あっちの様子は、どうなんですか?」
「着てた人はほとんど蹴散らした。多分、まだ何人かはいると思う。・・・第二線は、ボロボロだった。死人は少なめだと思うけど、重軽傷者大多数。第三線に下がらせて人を後退したから、第三線が少し手薄になってしまったかも・・・。」
「でも、あなたは無事ですね。本当に良かった。」
そんなに、歓喜することなのかな?
でも、生死問題だもん、そうだよね。
好きな人に心配されるって、嬉しいな…。