【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第5章 「ボクの頼み」
セリシアside
「・・・は??」
予想はしていたけど、一番最初に発せられたひとことはそれ。
それもそこにいた全員に。
この国では食客というものがあると聞いたのだが。
嘘だったのか?
「えーと、セリシア、今なんていった??」
「ですから、この国の食客にしてくれと。・・・そんなものありませんか??」
シンドバット王は、何とも言えない顔をした。
「いや、別にあるが…。」
「ちょっと、あなた何言ってるの!?」
最初に声を上げたのは魔法使ってた女の人。
「あ、先ほどはまことにありがとうございました。」
「あ、はい・・・。」
面食らったのかな。
「食客に簡単にさせることはできないぞ?」
「そうですよ、セリシアさん。迷惑はおかけいたしましたが、それとこれとは別です。」
ジャーファルさんも難しい顔で返す。
うーん、この人にそんな顔をされるのはなんか嫌なんだけど。
「・・・そうですか。では、どうすれば食客にしていただけますか??」
はっきり言うが、引くつもりなどみじんもない。
引いたら負けだ。
負けるものか。