【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第5章 「ボクの頼み」
セリシアside
ついた先は、広めの部屋だ。
そこには、何人かの人たちがいて、食事をとっている。
「セリシアさん、シンからの計らいです。」
そうジャーファルさんが言うと、席に誘導される。
「先ほどはなんか悪かったな。セリシア、ここで飯を食ってけ。」
別に何にも悪い気はしないが、正直空腹でやばい。
ここは素直にいうことを聞いておこう。
「・・・いただきます。」
そう言って料理を口に運ぶ。
・・・おいしい・・・。
「これ、おいしいですね・・・。」
つい、言葉が漏れた。
「そうですね。・・・私もいただきますか。」
そう言ってボクの隣に座る。
この人、思った以上に肌白いなあ…。
日焼けという言葉を知らなそうでなんかムカつく。
その後も料理を食べる。
本当においしくて、たくさん食べてしまった。
食事も終盤にかかったころ、シンドバットさんが声をかけた。
「んーとだな、セリシア。ひとつ謝らなければならないのだが、いいか??」
ん?
またなんかしたの?
どうせ誤解でしょうけど。
「じつはだな、俺のこれと君のだと思うんだが・・・」
そう言ってだすのは、アクセ…。
・・・!!!
「ボクの!!」
急いで腰を見る。
あの人がもってるアクセの中に、見覚えのあるものがあった。
おかしい、昨日まではあったはずだ。
いったいいつ・・・??
「やっぱりか。・・・実は、昨日絡まったようで・・・。」
本当見事に絡まっている。
「・・・ヤムライハ、ほどけるか??」
すると、近くで食事をしていた女の人に声をかけた。
「任せてください、王よ。」
すると、その人はそれを机に置いて…。
何かを唱えた。
辺りが光り輝くとともに、そこにはほどかれたアクセがあった。
魔法・・・。
「おお、よかった。・・どうぞ。」
良かったのはこっちだ。
これは大切なものだ。
なくしたと気づくのが遅くて、泣けてくる。
・・・泣かないけど。
・・・今、ボクの頼みを願ってみようか…。
もうすぐ追い出されるかもしれない。
それならば今、頼むべきだろう・・・。
「シンドバット王よ。頼みが一つあります。どうか聞いてもらえませんか??」
「ん?なんだ??」
ボクは立ち上がって、王の前にいく。
手を合わせて、頼みを述べた。