【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第11章 シロナ、デアル、秘密。
ジャーファルside
その場にいた全員にその音は聞こえたのだろう。
とたん、周りは静まり、海賊も、私たちも動きを止めた。
隙ができたのだが、その隙は見逃された。
そのくらい、みんなでその方向を見たのだ。
「・・・セリシアさん…??」
その視線の中心人物は、セリシアさんだ。
「あれは・・・ボルグ・・・??」
彼女の周りの膜・・・。
あれはボルグだ。
「どういうことだ・・・。」
その呟きは、空気に吸い込まれるように何とも聞こえない。
代わりに聞こえてきたのは、海賊軍のざわめき。
おかげで我に返れたのだが、誰も戦おうとしない。
それどころか、全員が慌てふためいている。
そりゃ、そうだろう。
あの大男が、たかが(見た目が)小娘のボルグに止められている。
そして、すこし黄色く光って見えたその時・・・。
ドサ・・・。
その男が倒れた・・・。
「そ、そんな!?」
「レイジさんが!?」(※レイジさんは海賊軍の倒れた大男です。)
「いったい何が・・・!!」
「だいじょうぶですか!?」
「ひ、引け・・・。引け―――――――――!!!」