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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第10章 副政務官


セリシアside

「だって、私より優秀な文官がたくさんいるじゃないですか。」

私なんて読解力に欠けるし、いい回答をできたとも思わない。
いくつかの書類もジャーファルさんに回してしまった。

「・・・。」

まだいいたいことはある。
それをさとってか、ジャーファルさんはまだ何も言わない。

「それに、政務官のお仕事って、国の問題じゃないですか。私、この国にきてまだ数日しか経てないんですよ??」

宴の日に来て、検査で一日、食客にしてと言って一日、剣術やって一日、買い物行って一日、剣術の練習やって一日、基礎で一日、今日。
一週間くらいしか経ってないのに。

「そもそも文官の人たちは納得しているのでしょうか??」

急にやってきた新人にいい権利をとられたら、誰も嬉しくない。

「そうですね・・・。一言でいうのであれば、やはりセリシアさんが優秀だからでしょうか。」

ようやく口を開いたジャーファルさん。

「だから、優秀な人は他にいるでしょう。」

「いえ・・・。文官はあの部屋だけにいたわけではないのですよ。」

じゃあ、ほかにもまだいるんだ…。

「いくら一つ一つの案件が大変でも、セリシアさんのところにくる書類はひとつ終わらせるとまた一つくる、と言ったところでしょう?」

そういえば、そうだった。

「ですから、みなさん時間がかかりすぎなんです。正確性も必要ですが、早さもあった方がいいのです。」

早さ、正確性、ねえ・・・。
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