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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第12章 5th Night 【シリウス・オズワルド】※R-18



脱衣所から、人の気配と物音が聞こえる。


(…シ、シリウス…さん…?)


レイアは胸のの鼓動が一気に高まった。

湯船に身体を沈め、扉に背を向ける。


(どうしよう…)


今更どうしようもないことは分かっているのに

胸の音がうるさくて仕方がない。



かちゃん。



扉の開く音がした。


「……っ」

思わず息を呑んでしまう。



(こういう時、どうしたらいいんだろ…)


「…はー…皿の数少なくて楽勝すぎ…」

シリウスはひとり言のように言いながら、シャワーを浴びる音を立てる。


「……い、いつも沢山洗ってるんですね…」


「ん?ああ…ルカと一緒にやってるけどな」


「そ、そうなんです、ね…」

バスタブの中で固まりながら、レイアはぎこちない返事をする。


「赤の兵舎って、飯とかどうしてんだ?」

「あ…えっと…料理長さんがいて、なんだかレストランみたいです。幹部の方は何も…」

「だろーなぁ…」

シリウスが身体を洗っている気配がする。


「黒の兵舎に来たら、お嬢ちゃんにも手伝ってもらうことになると思うけど…いいか?」

「そ、それはもちろん…むしろお手伝いさせて下さい」

「それは頼もしいな…皆喜ぶ」


背後から聞こえる音の一つ一つが、レイアの胸を苦しいくらいに高鳴らせていく。



やがてシャワーの音が止まる。

(ど、ど、どうしよう……)



「……いい?隣」

ものすごく近い距離でシリウスの声がする。



返事をする前に、シリウスはレイアの隣に座るようにバスタブへ身を沈めた。


広めに作られたバスタブは、身体の大きなシリウスと並んで入っても、なお余裕のある大きさだ。


「……お嬢ちゃん、のぼせたか?」

「…へっ?」

「顔…赤いけど」

「…あっ……えっと…そうかな…」


シリウスと目を合わせることができない。


「じゃ、じゃあ私…そろそろ出ますね…」

シリウスに背を向けるように立ち上がろうとしたその瞬間だった。


ぱしっと手首を掴まれる。

「…あっ……」


「こっち…来いよ」


「え……あ…」

手首を引っ張られ、シリウスに向き合う形になる。


「のぼせたか、チェックしてやるから」

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