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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第12章 5th Night 【シリウス・オズワルド】※R-18




「明日は赤の軍で過ごす最後の日だから…食事をしてから行くといいよ」

月小屋へ向かう馬車の中、ヨナはそう告げた。


「うん。じゃあルカに伝えてもらうよう、シリウスさんに言っておく」


「え…今日はあの花咲か野郎が来るのか…」


ヨナはあからさまに嫌そうな顔をする。



レイアの単独行動騒ぎのせいでいつもより出発が遅くなったためか
月小屋に着く時間もいつもより遅くなっていた。


「あ…馬が…」

馬車の窓から、月小屋の前に黒の軍の馬がつながれているのが見えた。


「もういるのか…全くがめつい奴だな…」


「いつもより遅くなっちゃったからね」


馬車が小屋の前で止まる。
ヨナがいつものように先に降り、レイアに手を差し伸べる。


(こういうところはほんとに紳士的だな…)


「じゃあ、あの胸糞悪い奴と顔を合わせるのは嫌だから、俺はもう行くからね。また朝迎えに来るから」

「うん…」


いつもと違う、別れの瞬間。

少しだけ、胸の奥が熱い。


「あの…ヨナ……」


「…何?」


「…なんでもない。いってきます」


「待ちなよ」


振り返り月小屋へ向かおうとするレイアの手をヨナが取る。


「あ…」

振り向きざま、その手が引っ張られ、ヨナに抱きすくめられる。



「………」


ヨナは何も言わずにぎゅっと抱きしめると

そのまますっと解放した。


何か言いたそうな顔をしていたが、レイアは笑みを返す。


「……ありがとう」


「…っ」


ヨナは顔を少し赤くして、レイアの背中を見送っていた。










自分が月小屋の呼び鈴を鳴らす側になるのは初めてだった。


「お待たせしてすみません…」

玄関の扉が開けられ、背の高い落ち着いた雰囲気の男性が現れた。


「いや、大丈夫だよ…ようこそ、お嬢ちゃん」


レイやルカたちより少し年上に見えるその男性は
柔和な笑みを見せて迎え入れた。


「シリウスさん、ですね」

「そう。黒のクイーン…シリウス・オズワルドだ。よろしくな」

「レイアです、よろしくお願いします」

「まぁ、そう固くなりなさんな?」


部屋の中は既に食事の準備がされていた。


「今日もルカが夕食を作ってくれたぞ」

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