第37章 London days【ヨナ・クレメンス】※R-18
Jonah side--------
「ふぅ………やっと終わった」
広がる青い空の下。
小さなアパートの出窓に、洗濯した服を掛ける。
干しきれない服は部屋の中だ。
(まったく……骨の折れる仕事だなぁ)
ヨナは腕まくりしていた白シャツの袖を下ろし、キッチンへ向かう。
先程火にかけていたお湯がちょうど沸き、紅茶を淹れるベストタイミングだ。
(我ながらベストタイミングだな)
香りの良い紅茶を淹れ、レイアの店の焼き菓子をテーブルに並べる。
「はぁ………美味しい」
ため息混じりにヨナはお菓子をほおばる。
窓からは春の爽やかな風が入り、洗濯物をそっと揺らした。
ロンドンに来て2週間。
レイアは来週いっぱいでパティスリーを退職することになっていた。
それまでは
レイアは昼間働き、その分ヨナが家のことをやることになっていた。
家事のたしなみが全くなかったヨナは、最初こそ苦戦していたものの、今はすっかり慣れ一通りこなせるようになってきている。
月末に引き払うこの部屋を見渡す。
少しずつレイアが片付けていっているせいか、初めてこの部屋に来た時より簡素になっている。
(最初は、女の子の部屋とは思えないくらい散らかっていたけど)
あの夜。
再会の喜びもつかの間、服や本が散らかった部屋を見てヨナは呆れた。
「ちょっと……この部屋は泥棒でも入ったの?」
「ご………ごめんなさい……今すぐ片付けます」
レイアは顔を真っ赤にして俯きながら、床に落ちた服を慌てて拾っていた。
「駄目だよ、レイア。女の子なのにこんなに散らかすなんて…お仕置きが必要だね」
「えっ?ど、どういう意味………んんっ」
油断して呆けた顔をしていたレイアの唇をすぐさま奪う。
「ん……んんぅ………」
部屋が散らかってることなんてどうでも良かった。
何ヶ月もお預けだったレイアに、早く触れたい。
奥まで蕩けさせて、レイアの全てを感じたい。
「ん……ヨナぁ………っ」
何度も啄み、何度も奪う。
散らかった床にレイアを押し倒し、組み敷いて、口付けを深める。
「離れていた分、取り戻すから……朝まで寝かさないからね」
「ヨナっ……や……!」
そうやって全身にキスを落とした……。