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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第36章 After few months【再会】



さらに1ヶ月後……



「本当に帰ってくるんですかねぇ」

夕暮れ時のガーデン。
赤と白の薔薇が茜色に染まる。

パーティの支度が着々と進む中、エドガーとルカが肩を並べてその様子を見つめる。

「……帰ってこなくてもいいけど」
「いいんですか?ルカ」

エドガーの不敵な笑みがルカに向けられる。

黒軍の軍服を着ているルカだが、腕に赤いスカーフが巻かれている。
「ヨナさんが帰ってこないと、ルカはいつまでも『赤のクイーン代理』のままですよ?」

不服そうな顔をするルカは、黙って赤いスカーフを解いた。
「……俺はやっぱり、黒の軍がいい」
「ルカ」

赤いスカーフを受け取ったエドガーが呼び止めた。

「……何?」
「一ヶ月間、ルカと一緒に仕事ができてとても楽しかったです」

ルカに向けられたエドガーの笑顔は、珍しく心の底からの笑みだった。






「全く…ルカから『一ヶ月ヨナの代わりに赤のクイーン代理を務める』と言われた時は驚いたが……」

シリウスはランスロットと肩を並べている。

「クレメンス家の次男が長男不在の穴を埋めるのは当然の道理だろう」
「敵軍同士の幹部でも、か?」

その言葉にランスロットは苦笑する。

「……平和主義のお前から『敵軍同士』という言葉を聞くとはな」
「そうだな…もう『敵軍』とは呼ばないかもな」

二人の旧友の顔は穏やかだった。





日が落ちて、空が濃紺に染まり
満月が浮かぶ。

ガーデンのテーブルには宴の用意がされ
両軍幹部が顔を合わせる。

「……そろそろか」
「だな……」

ランスロットとレイが立ち上がり、科学の国へ通じる穴の方へと視線を投げる。
満月の月明かりがまっすぐ注ぎ込んだその先。




「いたたっ!!ちょ…レイア!いつまで人の上に乗ってるんだよ!」

「ヨ、ヨナの方こそ私のスカートの裾から手離してよっ!」


「あー…相変わらずいちゃこいてんなー」

カイルが呆れ声で突っ込む。



「ほら、レイア急いで!」

「ま、待ってよ!」



声が近づき、やがて2つの影が皆の前に現れる。


「おかえり……!!!」


祝福と笑顔に包まれて

今、

レイアとヨナの物語が



始まろうとしている。













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