• テキストサイズ

【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第32章 last 4d【黒への招待】




翌朝。


黒の橋まで見送ると聞かないヨナを半ば強引に振り切り、ゼロが手配してくれた馬車に乗ってレイアは赤の兵舎を出発した。



よく晴れたクレイドルは雲ひとつない真っ青な空だ。

黒の兵舎前に降り立つと、以前と変わらずシリウス自慢の花々が美しく咲き誇っている。



「あ、レイアさん!」

黒の兵舎の門番が挨拶をする。

「こんにちは!」

「すぐキングたちに知らせてきますね!」

門番の一人が中へ向かおうとすると

「その必要はないわよー?」


後方から声が聞こえてきた。


「……セスさん!」

「やーーーん!アリスちゃーーん!!!」

セスさんは光の速さで駆け寄りレイアの身体をきつく抱き締めた。


「んもぉーー会いたかったのよぉ?赤の兵舎に行ったままもう会えないかと思ったわー?」

「んんっ……セスさ……くるし…」

「やーんごめんなさい!アタシったら怪力だからつい……!とにかくみんな待ってるから、早く行きましょ?」

セスはレイアの肩を抱くと密着したままレイアを兵舎へエスコートした。




談話室には幹部の面々がレイアのことを待ち構えていた。


「よぉーーー!!レイア!久しぶりだなぁー!」

そう声をかけたフェンリルが速攻でレイアからセスを引き剥がす。

「ちょ……ちょっとぉー!」
セスが不満げな声をもらす。

「………レイア…それは…?」

ルカが訝しげにレイアの手にある魚に目をやる。


「あ…えっとね……これお土産…」

照れくさそうに魚を差し出すレイアに、レイがふっと笑んで歩み寄る。

「…お前……手土産のセンス独特な」

「ちがっ……これはその……」

レイはレイアの頭にぽん、と手をやり魚を受け取ると


「ルカ、ディナーに一品足せるか?」

「もちろん……任せて」

ルカはそのままキッチンへと向かう。


そのルカと入れ替わりでシリウスがやってくる。


「ほらお前ら、寄ってたかって囲んだらお嬢ちゃんが困るだろう?全員座れ?……お茶の時間だ」


久々にレイアのいる黒の談話室は、まるで花が咲いたように、皆嬉しそうに明るく和やかな空気になっていた。




/ 289ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp