第29章 13th Morning【ヨナ・クレメンス】※R-18
ヨナの白い欲がレイアの中に放たれた後
レイアの身体の異様な火照りはなくなった。
汗で張り付いたレイアの髪をそっとかきあげてやる。
「……大丈夫?レイア…」
「……うん…なんか……ラクになったかも…」
力が抜け、とろんとした眼差しのレイアは、小さく答えた。
「良かった……」
ヨナがふわりと笑う。
その時だった。
トントントン。
扉を叩く音に2人は僅かに身体を揺らし目を見合わせた。
『…ヨナ、俺だけど』
カイルの声だ。
「……どうしたの?」
『あー…ランスが戻ってきた』
その言葉にヨナは目を見開く。
察したレイアが声をかける。
「ヨナ、行って。私は大丈夫だから…」
「……うん…わかった」
ヨナは脱ぎ棄てたシャツを着てすぐに身支度を整える。
「お待たせ…」
「悪ぃな、頼んでおいて呼び出しちまって。…レイアは」
カイルはヨナの肩越しにソファに横たわるレイアを確認する。
「……一応終わった。だいぶラクになったって言ってる」
「そうか。とりあえず俺がついてっから、ヨナは早くランスのトコ行ってくれ」
「……レイアを頼むよ」
カイルはその言葉に答えるように、ヨナの肩に拳をあてた。
入れ替わって、カイルがレイアの元へ歩み寄り、ヨナは部屋を出て行った。
「……だいぶ顔色いいな」
カイルは優しく微笑む。
「うん…もう大丈夫」
「……ほんとは風呂入って新しい服着せてやりてーけど…ごめんな」
「いいの、平気だよ。それよりランスロット様は…」
「ああ…」
カイルの表情が曇る。
「……アモンは、この公会堂とガーデンに、時限式の魔宝石を大量に仕掛けているらしい」
「えっ…?!」
レイアの表情が青ざめこわばった。
「どこに、いくつ仕掛けられているのか、いつ作動するのかもわからねー。さっき黒のクイーンも到着して全員で会議するってよ」
「そう、なんだ……」
レイアは羽織っている毛布をぎゅっと握りしめた。
「……カイル」
「ん?どした?」
レイアの瞳には力がみなぎっていた。
「……私もその会議、参加できないかな」