第28章 13th Dawn 真意
エドガーの懐で光る魔宝石が彼のみぞおちを焼く寸前
別の光が目の前に弾けた。
「…………っっ!!」
衝撃波が生まれ
アモンとエドガーは弾き飛ばされる。
「な………何事だ…っ」
飛ばされた二人の間に
深紅のマントが翻り、金色の髪がふわりと舞った。
「ラ……ランスロット様………」
鋭い瞳が、深紅の輝きから青く静かな色へと変わっていく。
「遅くなってすまなかった、エドガー」
「……いえ…力及ばず申し訳ありません……」
「いや充分だ…よくやった」
ねぎらいの言葉と共に、ランスロットはエドガーにふっと笑みを見せ、すぐさまアモンの方を振り向いた。
「ふふ……ランスロット、裏切るか」
「裏切ったのはどっちだ。はなから協力する気もないくせによく言う」
「ほう………赤のキングの肩書は、飾りではないようだな」
アモンは口元に笑みを見せた。
「アリスは我々が保護している。大人しく手を引け」
「お前は何も分かってないな、ランスロット」
「どういう意味だ」
アモンはけたけたと不気味な笑い声を上げた。
「アリスは『敢えて』逃した……アリスが手元に戻ればお前らは『安心して』ここに乗り込んでくるだろうと思ってな」
ランスロットが眉根を寄せる。
「罠だよ!!今頃…公会堂は火の海になってるだろうな………!!!」
「……なんだと?」
「ここにいない幹部とアリスが、ガーデンに集まることは予測していた。大量の時限式魔宝石が公会堂を木っ端微塵にしているだろう…ハッハッハッ!!!」
ランスロットは背後を振り返る。
傷ついたエドガーの元にゼロが寄り添っていた。
ゼロは全てを察し、頷く。
「すぐ戻ってください、我が主。ここは俺が」
ランスロットの瞳が深紅の色を宿し始めた。
「いかせぬわ!!!」
アモンが魔宝石を手にしながらランスロットに襲いかかった。
「ランスロット様!!!」
アモンとランスロットの間合いが詰められたその瞬間だった。
「っっ!!!」
乾いた銃声が鳴り響く。
アモンの手が弾かれ、魔宝石が床に落ちた。
銃声が更に続く。
「くそっ!!」
アモンが身を翻し引いた。
「行けよ、赤のキング…!!」
銃口はアモンに向けたまま
フェンリルが言い放った。