第24章 11th Night【ランスロット・キングスレー】※R-18
レイアの喉奥に放たれたランスロットの白濁は
僅かに唇から零れ落ちたもの以外は
全てレイアの中に注がれた。
息を乱しながら微かにせき込み俯くレイアの髪を
ランスロットはそっと撫でた。
「…ヨナが入れ込むのも分かるな」
ぽつりと呟かれたその言葉にレイアは顔を上げると
ランスロットの少し寂しげな瞳が揺れた。
「…ランス、ロット様……」
「…どのみち記憶は消す……少しだけ…いいか?」
そう言うと、ランスロットはレイアの肩口に自分の顔をうずめた。
「…?」
鎖骨に乗せられたランスロットの額から、柔らかい熱が伝わってくる。
「……アモンはおそらく、お前を魔法の塔に幽閉し、お前の力を絞り取るだけ絞り取るつもりだろう」
「……えっ?」
ランスロットの腕がレイアの背中に回される。
「奴らの所有する魔宝石にお前の『魔法を弾く力』を加えれば、最強の軍隊が出来上がる。そうなれば…クレイドルの覇者は奴らだ」
「……そ、それは…」
恐ろしいことが頭をよぎる。
(あの無数の魔法学者たちが、魔法を弾く…っていうか…)
それはつまり
(私…どんな扱いを…受ける…の?)
はっとなったレイアが身体を震わせると
それを悟ったランスロットが顔を上げ、そっと髪を撫でた。
「案ずるな。そのようなことは絶対にさせん」
ランスロットが柔らかく微笑んだ。
「お前のことは必ず俺やヨナが責任もって守りきると約束しよう。そして必ず次の満月に元の世界に帰す」
その言葉にレイアははっとなった。
(そうだ……次の満月に、私は…)
頭の中にロンドンの光景が浮かぶ。
(ロンドンに帰れば、もうこの儀式も争いごとからも…解放されるんだ。…でも)
それはすなわち
ヨナをはじめとした、ここにいる全ての人との『永遠の別れ』を意味する。
(毎晩…こんなことさせられて…怖かったはずなのに)
この微かな胸の痛みは何なのだろう。
心の底から安堵と希望が持てないのは何故なんだろう。
レイアが難しい顔をしていると
ランスロットは急に首筋を甘く噛んだ。
「……ぁ…っ!」
不意打ちにレイアの身体が跳ねる。