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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第20章 9th Night【エドガー・ブライト】※R-18




月小屋へ向かう馬車の中。


レイアの表情はいつもより暗かった。




謎の黒いローブをまとった人たち。

アリスをよこせ、と言っていた。


(狙っているのは私…ってことだよね)



レイの指示で彼らは地下牢に連れていかれたけれど

その後…どうなったんだろう。



それを聞くことは絶対にいけないことのような気がして
レイアは口を閉ざすほかなかった。


「……レイア」


向かい側に座っているルカが名前を呼んできた。


「……うん?」


「…大丈夫?顔色…あまり良くない」


ルカは心配そうに覗きこんだ。


(ルカには…隠せないな…)


「…正直、怖い」


「……何が怖い?」


「全部…。昼間の人たちも怖かったし…」


「………俺たちのことも…怖くなった?」


ルカの言葉にレイアははっとなって顔を上げる。


(守ってもらっておいて…怖いだなんて言えないよ…)


ルカは察したように微笑む。


「大丈夫…怖いって思う気持ち、普通だから」


「ルカ……」


「レイア、君を守るためなら……どんな野蛮なケダモノにもなるよ、俺たち」


(本当は…そうなってほしくない)


軍人だから、戦うことも血を流すことも、きっと当たり前なんだ。


だけど。


(そうしてほしくない)



この世界で、みんなが笑って居続けられるのは

『綺麗事』なのだろうか。



(私がここに迷い込んでこなかったら……)



「……レイア…っ」


「……えっ?!」


ルカはレイアの隣に座って両腕でレイアの身体を抱きしめた。


「……自分を責めないで、あなたは何も、悪くない」


服越しに、ルカの体温がじわりと伝わる。


ルカの服から僅かにキッチンの香りがして、レイアは思わず深呼吸してしまう。


「……なんか、落ち着く」


「えっ?」


「ルカの匂い、キッチンのにおい」


「……えっ、くさい?ごめん…」


慌てて離れようとするルカに、レイアは微笑んで答える。

「ううん、このにおい、落ち着くよ…」



二人は顔を見合わせて、くすりと笑った。





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