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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第15章 DAY7 ようこそ黒の兵舎へ




「ヨナ、お前に教わらなくても大丈夫だ」

「そ、それってどういう意味だよ!」


「……お前の知らないところで、レイアとは仲良くさせてもらってた」


ゼロはそう告げると、ヨナに背を向けてさっさと歩いて去ってしまった。



ヨナは口をぱくぱくさせながらその場に立ち尽くしていた。
















(階級順…かぁ……)

揺れる馬車の中、窓の外を眺めながらレイアはふと思った。


(だとすると今日は…ゼロ)

赤の兵舎滞在中、ゼロと会話することは殆どなかったが
一度だけヨナの代わりに朝迎えに来てくれたことがあった。


その時に会話した印象だと
強面の割には優しい感じがした。


(大丈夫……かな…)


「…い、おーい!レイア!」

「……えっ?!あ、ごめん」


向かい側に座るフェンリルが呆れたように笑う。


「何ぼーっとしてんだよ。なんか心配か?」

「え?うん、まぁ…」


「まぁ…そうだよな。こんなの、慣れるわけがねぇ」


フェンリルはふっとため息をついた。
そしてにこっと笑うとレイアの頭をぽん、と撫でた。

「どんな目にあっても、太陽が昇って朝になったら…全部忘れられるくらい、楽しくすっから!」


「フェンリル…」


「お迎えは誰がいい?レイアが指名していいぜ?」


「えっ、いいの?じゃあ…フェンリル」


「えっ……」


フェンリルは意外だったのか目を見開いて少し顔を染めた。


そんな反応をするとは思わず、レイアの方も少し赤くなってしまう。


「あ、ダメ…かな…」

「ん、んなわけねーじゃん!すげー嬉しいよ!」


向けられたフェンリルの笑顔は少年のようだ。


「じゃあ…フェンリルが来るの楽しみに待ってるね」

レイアはフェンリルの笑顔につられてにっこり笑った。


(フェンリルといると…なんだか気がまぎれるな…)


月小屋に近づいていく馬車の中
レイアの不安は自然と消えていくのだった。



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