• テキストサイズ

炎の華と氷の心

第10章 【最終章】 再出発──未来へ。


墓参りを済ませ、港へ向かうと──

「よぉ、“妹”」

赤髪の船長──シャンクスが待っていた。

「待っててくれたんだ?」
「そりゃあ、可愛い妹のお願いだからな」
「よしてよ。それは昔の話でしょう?」

苦笑いするリラ。その様子を見てシャンクスはニッと笑った。

「故郷へ戻るか?」

シャンクスの問いに、リラは首を横に振った。

「しばらく私の島を拠点にして旅をするつもり。『生まれてきても良かったのか』その答えを──私も知りたいから」

雪女としての能力は、戦闘面においてはとても便利だった。
でも人の温もりを知ることはできない。
人を傷つけるだけの能力なんていらない。そう毎日自分を呪い続けていた。でも──

「……この能力は、人を喜ばせることも出来るのかなって……思う、今なら」

そう言うと、シャンクスは嬉しそうに笑った。

「それならいい。──行ってこい」
「ん。頑張るわ」

笑いあい、リラはシャンクスが貸してくれた小舟に乗り込んだ。行き先は──ドレスローザ。

「なんだか……ルフィ君にはまた会いそうな気がする」

船を出しながらくすりと笑うリラ。そしてバングルに目を移す。

大丈夫、エースはここにいる──

エースの遺志は私たちが継いでゆく。

「やっと……1つに繋がったね」

空は快晴。
ふと、エースの声が聞こえた。

『愛してくれてありがとう』

と。リラは軽く目を瞑った。

「こちらこそありがとうだよ……エース」

最愛の人。
愛をくれて──人を愛することの幸せを教えてくれて、ありがとう──






fin.
/ 75ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp