第3章 CHAPTER.1
──首都アトランティカ
ナガミミ『あー、あー・・・。
マイクチェック、マイクチェック・・・。
オイ、13班。聞こえてるな?』
シオン「・・・・・・ぅ、わー・・・・・・」
リョウ「す、っご。なんだココ・・・!」
セツナ「・・・?・・・・・・??」
ナガミミ『ヤレヤレ・・・だから先に説明しとけっつったんだよ。
いいか、よく聞け。
そこはオレたちのいるUE77年から1万2千年以上も過去の世界。大西洋のど真ん中に海を割いて築かれたっていう・・・当時、地上で最も栄えた国──アトランティス海洋王国の首都アトランティカだ』
アトランティス・・・。
当たり前だけど、聞いた事の無い・・・・・・?
いや・・・違う。どこかでアトランティスって言葉を・・・聞いた気が・・・・・・。
リョウ「なーなー、あそこに居る人達ってアトランティス人?
なんか髪に生えてね?」
ナガミミ『気づいたか?
ここは人類とは別の種・・・ルシェ族の国だ。
史実ではこの時代、人類は石を砕いてナイフにする程度の文明しか持ってないはずだが・・・マァ、表の歴史には残されていない謎多き種族ってワケだ』
セツナ「ルシェ族・・・。
外見の違いは、あの耳のカタチ・・・と言った所か」
ナガミミ『ここでのテメエらの任務は、この国に飛来している真竜──。
ん・・・?
なん・・・だ、とん・・・もない・・・応が・・・』
不意に、ナガミミの声にノイズがかかる。
これにはナガミミも想定外らしく、何やら慌てている。
と言うか、私達の居るこの場所が揺れている。それにビリビリするような・・・。
ナガミミ『オイ・・・ヤバ・・・ぞ・・・!
・・・ぐに・・・こっ・・・に戻・・・て・・・──』
シオン「・・・あれ、ナガミミ?・・・ナガミミー?
ダメだ、通信落ちちゃった・・・」
リョウ「う、わわわ・・・っ。
これマグニチュードのレベル高くない?
すっげー揺れてるんだけど、っ」
セツナ「ふむ・・・。
地震が起きた時はテーブルや屋根の下に避難するのが得策だが・・・」
シオン「んー・・・取り敢えず、待機?」
なんともマイペースな私とセツナに、リョウの「いや、なんでそんな落ち着いてるの!?」と言うツッコミが飛んできた。