第2章 親睦を深めよう作戦
そんなハンジの肩にポンっと手を置くと、漸くハンジは動かしていたペンを止めた。
「あれ、アイリーンじゃないか。どうしたの?」
「やっぱり気づいてなかったんですね。もう夜になっちゃいましたよ。」
疲れきった瞳をアイリーンに向けるハンジ。
やっぱり休んでなかったな、ハンジさん。
と、アイリーンは確信した。
これは意地でも休んで貰わないと。
ハンジさんが倒れたら大変だ。
ハンジと一緒に研究をしようと部屋に入ってきたアイリーンだったが、急遽予定変更。
ハンジを寝かせる作戦に入る。
これが一筋縄にはいかない、大変な任務なのだ。
ハンジは意外と頑固だ。
研究に一区切りつくまで。なんて言って1日が経過するなんてざらにあるのだから困ったものだ。
アイリーンはよしっと、自分に気合いを入れる。
一発で自分の寝室まで帰ってもらう。
重大な任務を心の中で再確認した。
そして、少しだけ腰を曲げて椅子に腰かけるハンジの耳元へと唇を寄せた。
「ハンジさん。明日は確か、とっても大事な報告会があるんですよね?リヴァイ兵士長や、団長が集まる……。そこにまたこんな格好で出掛けたら、さぞや怒られるんでしょうね……。大事な報告会を、説教だけで終わらせるのは、とっても勿体ないと思うのですが……。」
「……!そ、そうだった!」
ガタッと勢いよく椅子から立ち上がるハンジ。
その姿に、アイリーンは背中に回した手で密かにガッツポーズをした。
「ありがとうアイリーン!折角の報告会を無駄にするところだった!早速お風呂入ってこなくちゃ。」
「はい。ついでに寝てきてくださいね。隈が酷いとバレてしまいます。」
パッとお風呂セットをハンジに渡すと、ハンジはわかった!と言って駆け足でその場を後にした。