第2章 親睦を深めよう作戦
廊下をパタパタと走っていく音が遠くなっていく。
本当にお風呂に向かってくれた様だ。
アイリーンは閉まりきっていないドアを一瞥して、部屋に置いてあるソファーに座り込んだ。
よかった……、作戦成功だ。
モブリットと一緒に考えていたこの作戦。
上手くいったと、明日にでもモブリットさんに伝えよう。きっと泣いて喜ぶかもしれない。
二人で抱き合いながら喜ぶ想像をして、アイリーンはふぅっと安堵の息を吐いて目を瞑った。
「なにニヤニヤしてやがる。」
モブリットとの喜びを瞼の裏で思い浮かべていると、ふと低い声がアイリーンの耳に届いた。
驚いて瞑っていた目を開くと、半開きになった扉からこちらを覗くリヴァイの姿があった。
その双眼はアイリーンを呆れたように見つめている。
ヤバイ、達成感のあまりに油断していたようだ。
直ぐにソファーから身を起こすと、アイリーンは扉から中へと入ってくるリヴァイに敬礼をした。
「リヴァイ兵士長。お疲れ様です。」
「あぁ。」
慌てて敬礼したため、思ったより強く当たってしまった拳のせいで、胸が痛い。
じんじんと痛みを訴える胸に気を逸らされながら、リヴァイを見る。
だがリヴァイはアイリーンに用があって来たわけではないのか、アイリーンを無視して室内をぐるりと見回した。