第2章 親睦を深めよう作戦
「うーん……。これじゃぁダメだなぁ。こうしてみたら……。うん。こっちで調整してみよう。」
すっかり日も暮れたある日。
ボサボサの髪の毛に、よれた服。
手先は本の捲りすぎで、黒く染まっている。
彼女……ハンジ・ゾエはもう2日もこの調子で、せっせと仕事を続けている。
巨人の捕獲の為の作戦や、道具の研究。
勿論その巨人の事を調べ尽くして、効果的な道具を作らなければならない。
その為に巨人の研究を続ける。
巨人は解らないことが沢山ある。
調べても調べても解らないことが沢山ある。
ハンジはその一つ一つを丁寧に調べていき、時にニヤリとそのやつれた顔に笑みを浮かべる。
その異様な光景に、殆どの兵士は近寄らない。
……数名を除いて。
「ハ、ハンジさん!まだ仕事していたんですか!」
ハンジの研究室の扉がギィッと重く響ながら開くと、そこから高い女の声が響いた。
手に大量の資料をかかえて、身体で扉を押し開けて入ってきた様だ。
彼女、アイリーンは座ったままペンを動かし続けるハンジを見て、思わず声を発していた。
今朝早くに見た光景と変わらない光景に、アイリーンは深く溜息を吐いた。
「ハンジさん。きちんとお休みはとられましたか?昨日から一睡もしていないのは、モブリットさんと確認済みなんですよ。」
ドンっと資料の山を近くのテーブルに置くと、アイリーンは未だペンを離さないハンジへと近寄る。
アイリーンに気づいていないのか、直ぐ傍まで近寄っても、ハンジはアイリーンを見やることもしない。