第4章 エルヴィン団長とリヴァイ兵士長
「ふむ。成る程ね、よくわかった。思い出してくれてありがとう。」
メモを取りながら一通りの説明を書き留め、ハンジはニコッと笑い掛ける。
「いやぁそれにしてもなかなかやるじゃないか。相手の男の股間を蹴りあげるなんて!」
「い、言わないでください……。あの時は必死だったんですから。」
あの資料室でアイリーンに口付けをした男を、アイリーンは足で蹴りあげていた。
突然襲った痛みに大声を上げた男に、もう一人が動揺してくれたお陰で、アイリーンは窮地を脱したのだった。
リヴァイに説明をするときは、その辺りの情報は省いて伝えていた。
恥ずかしくて隠したかったのだ。
「いや、でもアイリーンが傷物にならなくてよかったよ。それに、アイリーンのお陰で犯人の目星も付けられそうだしね。」
「あんな話で分かったんですか?」
「大丈夫だと思うよ。アイリーンも知ってるだろうけど、こういう事件は初めてじゃない。でも犯人は同じ人みたいなんだ。」
そういえば噂があったなぁ。
襲われた人がいる、という新兵の噂が。
「今まで顔がはっきりわからなかったんだけど、君のお陰でそれが分かりそうだ。」
「それはよかったです。」
まだ犯人が分かっていなかった事に少し驚きはしたが、アイリーンはにこりと微笑んだ。
あんな最悪の出来事は二度と御免だが、それで解決することもあるのなら、よかったと前向きに思える気がした。
「それにいきなりリヴァイが犯人探しにやる気を見せ始めてね。この分なら明日にでも見つかるんじゃないかな?」
はは、と笑うハンジの言葉に、アイリーンは目を丸くした。
以前、この噂の話をした時は心底どうでもいい。といった態度だった。
それだけに今のハンジの話に驚いた。