第3章 事件の日
「これと、これと……。あれ、あの資料は何処だっけ。」
ハンジの研究室からおよそ10分の距離にある資料室。
あまり片付けられてはおらず、少しカビ臭い。
アイリーンが資料室を使うようになってから、少しずつ片付けてはいるのだが、何年も掛けて溜まった資料の山は、そうそう片付きはしなかった。
たまに他の兵士も使っているみたいだが、片付け方が適当だ。
取り出した場所に戻さず、適当に置かれているので益々片付かない。
ようやくお目当ての資料を見つけた頃には、資料室に入って20分が経過していた。
「なんでこんな所に……。探したぞ、資料さん。」
頼まれた資料は全部で10冊。
後1冊足りない。
床に落ちていたり、本棚の間に乱暴に突っ込まれていたりする場所だ。
アイリーンはため息を1つ溢すと、よしっと気合いをいれて四つん這いになった。
埃がうっすらと積もる床の汚さに、思わずリヴァイの部屋を思い出す。
「やっぱり綺麗だったなぁ。毎日拭き掃除してるのかな。」
綺麗な床が恋しくなり、二度目のため息。
そのため息によって舞った埃が目に染みる。
涙目になりながら探していくと、ガチャ。と資料室の扉の開く音が耳に届いた。