第2章 親睦を深めよう作戦
「名前はリヴァイだ。兵士長は役職。名前で呼べ。」
まるで箇条書きの用にリヴァイらしい命令口調でそう言うと、リヴァイは持っていたカップをソーサーに置いた。
その流れでアイリーンを見たリヴァイの瞳は、有無を言わさない強い瞳。
その圧に、思わずアイリーンは首を縦に振っていた。
それを確認すると、リヴァイはふっと口角を上げ、それでいい。と満足げにソファーに凭れた。
リヴァイは満足げだが、アイリーンはどうしようかと軽くパニックになっていた。
突然上司に等しい人物を名前で呼ぶだなんて。
何故役職で呼べではなくて、名前なのか。
兵長。とかなら喜んで呼ぶのに。
リ、リヴァイ……と呼べるの?
いや、無理無理無理!!
「あ、あの。リヴァイ……さん。」
「なんだ。」
勇気を振り絞ってリヴァイ……さん。と、アイリーンはさん付けで読んでみた。
さん。も許さない。などと言われたらもう頭を下げてでもそれだけは無理だ!と懇願するつもりだっただけに
普通に返事をもらって、アイリーンは心底ホッとした。
と同時に、なんだか嬉しくもなった。
少しだけ。
ほんの少しだけだが、リヴァイに近づけたような気がしたのだ。
「ふふ……。リヴァイさん。」
「……なんだ。二度目だぞ。」
「いえ。なんだか嬉しくなってしまって。」
口許を片手で隠しながら、恥ずかしそうに頬を染めて笑うアイリーンに、リヴァイは一瞬目を見開き、驚いたような顔をした。
でもそれも本当に一瞬。
すっといつもの無愛想な顔に戻ると、何事も無かったかの様に、カップに手を伸ばした。