第2章 親睦を深めよう作戦
「……美味しい!」
「当たり前だ。」
そうして冒頭の会話へと繋がる。
キラキラとした瞳で紅茶を見つめるアイリーンに、リヴァイは少し誇らしげな気持ちになっていた。
リヴァイが飲む茶葉は安くはない。
だから人に飲ませることは滅多にしないし、飲ませたとしても強ばった表情で美味しいと連呼するだけ。
リヴァイに気を使って発した言葉だとすぐにわかる。
それがリヴァイは気に入らなかった。
だが、今横にいるこの女はどうだ。
リヴァイに気も使わずに、本当に美味しそうに紅茶を飲んでいる。
一口一口を大事そうにして飲むその姿に、リヴァイは表情が緩んだ。
何故かこの女に自分の淹れた紅茶を飲んでほしい。
急に思いたったリヴァイは、自分の気持ちに正直に行動してよかった。とどこかホッとした。
結構強引に部屋に連れてきたことを、本当は少し悪く思っていたのだ。
「……ハンジさんも、この美味しい紅茶を飲めば、少しは大人しくなるでしょうか。」
「……折角の紅茶の時間をあのクソ眼鏡の会話で汚したくないな。」
唐突に出てきたハンジの話題に、リヴァイはあからさまに嫌そうな顔をした。
アイリーンは苦笑いをしつつ、それじゃぁ。と他の話題を探す。
「そうだ。最近入ってきた新兵の噂、知ってますか?リヴァイ兵士長。」
「……お前、その名前長くないか。」
「はい?」
新兵の話題を出した筈なのに、名前の話?
リヴァイの的はずれの返答に、アイリーンはリヴァイに視線を向けた。
だか、リヴァイはアイリーンを見ずに、紅茶をそれは優雅に啜っている。
「あ、あの。名前?ってどういう意味でしょうか……。」
「……リヴァイ兵士長って、長くないか。いや長い。」
いきなりの倒置法!?
自己簡潔で答えを出したリヴァイに、アイリーンはどう答えていいか分からず
「でも、それが名前……ですよね?」
と返すだけで精一杯だった。
なにか間違っていただろうか。
他にも同じように、リヴァイ兵士長と呼ぶ人は少なくない。
ハンジさんのようなリヴァイ兵士長に近い人は別として。