第2章 親睦を深めよう作戦
「リ、リヴァイ兵士長。ここでお休みになられるのですか?」
あれだけ悩みながら、結局一番無難な言葉を選び出すしかできなかった。
「いや……」
アイリーンの言葉にリヴァイは目を開けずに答える。
少しだけ疲れたような声だ。
「なんとなく、ここが落ち着いてな。クソ眼鏡の汚ねぇ部屋なのにな。」
「お、落ち着く……ですか。それは、よかったです。」
こんな部屋で、あのリヴァイ兵士長が落ち着くだなんて。
アイリーンはリヴァイの返答に、ふふっと口許を綻ばせた。
「……何が可笑しい。」
「ふふっ……。いえ。まさか落ち着くと言われるとは思わなくて。すみません。」
「ふん……。まぁいい。」
「はい。ありがとうございます。」
目を開けてアイリーンを見たリヴァイの顔は、一瞬だけだが、笑顔だった。
初めて見たその笑顔に、アイリーンは少しだけ心がドクッと脈を打ったのが分かった。
「クソ眼鏡は今日は戻ってこないのか。」
「はい。お風呂の後は自室で寝てくださいと言ったので。帰ってこないかと思います。」
「そうか。お前はこの後どうするんだ。」
「わ、私ですか?」
「他に誰がいる。」
折角笑顔を見れたと思えば、今度は呆れ顔を寄越される。
意外と表情がコロコロ変わる人のだろうか……。
不思議な気持ちになりながら、アイリーンは質問にどう答えようか困ってしまった。
「うーん……そうですね。研究の続きをするつもりでここに来たんですが、ハンジさんは私が追い出してしまったし……。私もどうしようか迷ってます。」
アイリーンは今思っている事を素直に言葉に出した。
あまりに酷い身形のハンジに、アイリーンは耐えられず追い返してしまった。
仕事をするつもりで、アイリーン自身でその仕事が出来ない状態にしてしまった。
今更だが、馬鹿なことをしてしまったと気づいた。
ほっぺを掻きながら乾いた笑いを溢すと、リヴァイはそうか、と呟いて座っていたソファーから立ち上がった。