第6章 # 風見鶏
~ 松本side ~
上京して5年 、俺の元に高校時代の友達からメールが届く 。
『 1ヶ月後 同窓会やるぞ 、潤も来いよー!』
俺は 、『 了解 』とだけ返事した 。
高校を卒業してから上京し 、実家にもほとんど帰らず仕事三昧だった俺 。
たまの息抜き と 、同窓会の日に休みを取り 、実家へ帰った 。
そして同窓会の日 。
友「 おー 、松本!久しぶりだな!」
「 おぅ 、久しぶり!」
友「 東京はどうだ ? 」
「 あー 、まあまあだよ 。人は多いけどな 」
なんて他愛もない話をしながら 、俺はある人を探していた 。
それは俺の幼馴染みの〇〇 。
本当に小さい頃から遊んでいて 、小中高と同じで 、俺はずっと〇〇のことが好きだった 。
〇〇の家に遊びに行っていたんだ 。
男勝りで俺がいじめられていると守ってくれたり 、やんちゃで 、虫取りが好きで 、方言が可愛いところも ...
だけど 、高校卒業と同時に上京してから 連絡は全く取っていなかった 。
〇〇「 ごめん!遅れた!」
その声で 店に入ってきたのが〇〇だとすぐにわかった 。
友「 おー!〇〇 、こっち座れよー!」
そう言って促したのは俺の隣 。
「 久しぶり ... 」
〇〇「 久しぶり ... 」
なんだか妙に恥ずかしい 。
その同窓会から2週間後 、お互いに意識し始めた俺達は 、付き合うことになった 。
なんと〇〇も東京で就職したらしい 。
付き合ってからは 、仕事終わりに2人でデートしたりと順調に交際を進め 、ついに俺達は結婚することになった 。
〇〇「 ね 、今週末 、私の実家行こっか 」
それって ... 、結婚の挨拶 だよね ... ?
いくら幼馴染みでも 、それは緊張する ...
いいよ 、なんて返事したけど 、頭の中は不安だらけだった 。