第9章 あの日
「ソラ、お前がサスケをかばった日に、ペンダント受け取ったよ。今まで礼も言えてなかった。ありがとう。」
そう言って、首元に手を当てるイタチ。
しかし今聞きたい言葉は、それではない。
『そんなのいつでもいいよ!兄さんが1人で苦しむ必要ないの!今からやろうとしてる事、知ってるよ!?でも、そんな事しなくてもきっと解決できる!だから、私は兄さんを止めに来たの!』
覚悟を決めたと言っているかのようなイタチの言葉に、ソラは必死で訴えた。
「お前、その目…。サスケに聞いていたが、本当に写輪眼が開眼していたか。」
必死で叫んでいるソラの目は真っ赤で、勾玉模様が3つ、浮いていた。
サスケを庇ったあの日に、手に入れたものだ。
『兄さん!もう少し考えよう!無理っていうなら、何が何でもとめる!』
ソラはイタチを止めるべく、攻撃態勢を整えた。
…その時、一気に瞬身で距離を詰められ、耳元で小さく囁かれた。
「許せ、ソラ…。」
謝るイタチにおどろき、目を合わせた。
(…写輪眼!?)
気付いた時には、もう遅い。
ソラは幻術にかけられ、その場に倒れた。