第8章 不安
今はイタチが来てくれている。
ソラは、見舞いに来てくれるイタチの顔がどんどん暗くなってきているのが気になり、
『兄さん、どうしたの?何か大変なことあった?私が聞くよ?』
そう声かけるが
「大丈夫だ、俺が、お前たちを守る」
それしか、言わなかった。
話す時は必ずイタチは笑顔だが、ソラはどうしても不安になった。
あの、両親と会えなくなった時のように。
…だから、悪いと思ったが、イタチが帰る際に影分身を作り、イタチを追わせることにした。
どうしても、イタチの暗い原因が気になったから。
『お願いね、私の分身。』
『ええ、分かってるわ。任せて、私!』
家から出られない間、ずっと"かくれんぼ"をしていただけあって、家族で1番、気配を消すのが上手かったため、気づかれることはなかった。
…しばらく尾行していると、半分包帯だらけのジイさんとイタチが会話を始めた。
ソラの影分身は、耳をすませた。