第7章 夢の中で
『え!?何!?父さん!母さん!?』
「ソラ、お別れだ。お前はみんなの元にかえりなさい。父さんも母さんも、お前の事を空の上から見ている。」
「ソラ、愛してるわ。もうここに来ちゃダメよ?」
『…待って!』
ソラの制止も虚しく、2人は肩を寄せ合い、微笑みながら光の中へ消えていった。
『…聞けなかったな。』
父と母から、自らが犠牲になってまで、私を残したかった理由を聞きたかった。
しかしそれは、叶わぬ夢になってしまった。
真っ白な世界にポツンと一人残されたソラは両親が消えていった場所を見つめる。
すると、また声が聞こえてきた。
先ほどの泣き声とおなじ声色。
「本当に良かった」
「命があって良かった」
きっとこの声は、木の葉の里にいる、家族のものだ。
…なんだか、自分の為に泣いてくれる人がいることが、とても幸せに感じた。