第7章 夢の中で
「母さんが知っているセイレーンの話はここまでよ。
でもね、世界のどこかにセイレーンの祠があるらしいの。
あなたはいつかそこへ行きなさい。
母さんも知らないセイレーンの秘密が分かるはず。」
『わかった。必ず行く。祠を見つけてみせるよ。』
ソラが力強く答えると、ハルは涙を流し、辛そうに話し出した。
「本当は貴方の成長を、ずっと隣で見ていたかった。私がセイレーンだったばっかりに…。こんな大変な運命を背負わせてごめんなさい。」
申し訳なさそうに言ったハルに、ソラは笑顔で答えた。
『そんな事言わないで。
私は父さんと母さんの子に生まれて幸せよ?
あ、それで、父さんと母さんに聞かなきゃいけないことがあるの。
あのね…。』
"私を残したのは何故か"
そう聞こうと思ったのだが、突然サクヤとハルの周りが光りだした。