第7章 夢の中で
「まず、左の太もものあたり。花の上に音符が2つ、くっ付いたような紋様があるでしょ?
それが、セイレーンである証。
だから、決してそれを見られてはいけない。」
そういえば昔、『これは何?』と聞いた事がある。
その内教えると言われていたの思い出した。
「それから、力の代償の話。
力を使いすぎると、白いアザが広がっていくの。
これが全身に広がれば死ぬわ。
まあ、力を使わなければアザも1ヶ月で消える。」
「これ、痛いのよ。」と言いながら、ハルは大きく広がる白いアザを見せた。
『じゃあ、私はどうしたらいいの…。』
歌って死ぬなんて思っていなかったソラは、自分の力が恐ろしくなった。
「力を使わなければ、なんともないの。だから、どうしても使うときは、本当に大切な人の為だけに使いなさい。」
ハルはそういって、サクヤを見て微笑んだ。
サクヤは照れたように笑った。
(そっか、母さんは父さんが大切だったからセイレーンの力を使ったのね。)
2人の姿を見て心が温まった。