第7章 夢の中で
『どうして?やっと会えたのに…!私、父さんと母さんに、聞かなければならない事もあるの!』
そう言うと、ハルは笑顔で答えた。
「そう…。でも、まだここに来てはいけない。生きなさい。」
『でもっ!』
「ソラ、大きくなったな、フガクたちも約束を守ってくれたようで。よかった。」
ソラは、サクヤとハルの話を聞き、2人が "ソラが生きる" という事を望んでいる事がよくわかった。
だからこれ以上、大好きな両親に近づく事ができなかった。
娘が理解してくれたのを見て、ハルはにこりと笑った。
「あなたにセイレーンについてしっかり話をできなかったわね。だからこのチャンスに、セイレーンの事を話すわ。」
真剣な母の顔を見て、ソラは涙を拭い、コクンと頷いた。
「セイレーンの能力についてはフガクさんから聞いた?」
『うん、歌が周りに影響を与えるって。』
「そうよ。でもその力にも代償があるのよ。」
知らなかった新しいセイレーンの情報に、ソラは聞き入った。