第5章 事件
グサッ…
クナイが刺さる音がした。
(あれ、背中痛いな。あ、反射的に庇ったのか)
先ほどの音は、自分に刺さったものかと、ものすごく冷静に判断する。
(サスケ大丈夫?ちゃんと守れた?…そんな泣きそうな顔しないでよ。)
「…ソラ!?」
『…ゔっ…。サ、サス、ケ。怪我…なぃ?』
絞り出した声は、掠れていて、自分自身も驚く。
そして、サスケが固まる。
きっとサスケも驚いてるんだろうな、なんて思う。
そして、手元に袋がないことに気がついた。
(あー、プレゼント手離しちゃった。どこだろ。あ、あそこに落ちてる。…血、ついてなくてよかった。)
こんな瀕死状態で、そんなこと考えるなんて、笑える。
人間って、こういう時冷静になるもんなんだなと、自分自身に感心した。