第37章 音の誘い
(ちくしょう…!)
サスケは左近の手前で体勢を変え、左近の顎へ下から蹴り上げた。
影舞葉からの獅子連弾。
渾身の一撃だった。
「フン…、こんな奴がなんで欲しいのかねぇ…大蛇丸様も…。
これじゃ『君麻呂』の方が良かったぜ。」
サスケは片足を掴まれ、宙吊りにされていた。
(な、何故だ!?連弾全てに手応えはあった…。こいつまるで、ダメージがない!?)
全くの無傷の左近に驚きを隠せないでいると、左近は更にニヤリと笑い話した。
「こんなクズみたいな里にいても、お前は今のまま並の人間止まり…。強くはなれねぇ。
仲間とぬくぬく忍者ごっこじゃ、お前は腐る一方だぜ。」
このセリフに、第七班のメンバーの顔を浮かべる。
カカシ、ナルト、サクラ、…リク。
「うちらと一緒に来い!そうすれば大蛇丸様が力をくれる!」
多由也がそう言った時、首元の呪印が痛んだ。
「どうすんだよ!」
左近に投げ飛ばされ、壁に思い切りぶつかった。
そしてまた、四人衆に囲まれる。
「ハッキリしよーぜ!グズグズしてんじゃねぇよ!!来るのか?来ねーのか?
…とはいえ、無理矢理連れてっちゃあ、意味がねーらしいからな…。
大蛇丸様もめんどくせー…。
こんな弱えー奴、あんまりグズりゃあ殺っちまいたくなるぜ。」
頭にきた。
そして、サスケは呪印を解放した。
「殺ってみろ…」
「てめー…"呪印"を…。」
驚く左近に殴りにかかる。
しかし、カウンターを喰らい、左近を見上げる。
「てめーだけが大蛇丸様のお気に入りとは限らねーんだぜ。」
そういう左近には、呪印が広がっていた。
サスケはそれを見て驚くしかなかった。
「呪印をあんまりホイホイ使うもんじゃねーぜ。
…つーより、てめーは呪印をコントロールできてねーみたいだが。
"解放状態"を長く続けていれば、徐々に身体を呪印が侵食していく…。
侵食され尽くしたら…自分を無くすぜ。ずーっとな。」