第34章 デートをしよう
カカシの言う通り、俺はサクラとナルトを演習場へと集めた。
「よ、ちゃんと揃ってるな。」
「カカシ先生が集合時間通りにくるなんて、嵐でもくるんじゃないの?」
サクラの意見に同意するように、ナルトは隣で首を縦に振っている。
そんな2人を他所に、俺はカカシを睨みつける。
理由は勿論、彼女のこと。
「リクはどうした?」
「まあそう焦るな。」
「何故ここに来ない。」
「寝てるからさ。」
当たり前と言われたらそれで終わりな答えを返され、大きな舌打ちをする。
しかし、状況が把握できていない2人は、なんの話だと騒ぎ始めた。
「ちょ…先生!リクちゃんが来ないって、どう言うことだってばよ!?」
「そうよ先生、同じ第七班のリク抜きで話って一体どんな…?」
「落ち着けお前ら。今から話す事は、その答えだ。
サスケ、お前にもしっかり聞いといてほしい。リクの事だ。」
リクの話と言われてしまえば、否が応でも耳を傾けてしまう事を分かっていて、わざわざカカシは彼女の名を出したのだろう。
なんでも見透かされている気分、腹立たしい。
それが態度に滲み出てしまったのだろうか、カカシは俺を見て大きくため息をついた。
「数時間前の事件、裏で操っていたのは大蛇丸だった。
なぜ大蛇丸がサスケだけでなく、リクにも目をつけたのか、分かるか?」
「大蛇丸…それってまさか…!?」
サクラが恐る恐ると俺の方を見てくる。
恐らく呪印の心配をしているのだろうが、今の俺にはそんな事どうでも良い。
「奴らがリクを狙う理由はなんだ。さっさと話せ。」
サクラは俺の様子を見て落ち込んだように地面を見つめ、ナルトはサクラの様子に首を傾げる。
そんな俺達を見て、カカシはまたしても大きなため息をついた。
「まったく、最近はチームワークがなってないね、お前ら。
それについてはまた今度指導するとして…。
お前ら、リクの特殊な力、どこまで知ってるんだ?」
突然に目つきの変わったカカシは、いつもの優しいそれとは違う、言うなれば再不斬と戦った時の殺気に似た気迫を放っている。
そんな担当上忍に、俺達は少なからず恐怖を覚えたのだった。