第34章 デートをしよう
「……!!…………い!…リク!!」
『……………………っ!!!!』
一気に体を起こし、辺りを確認する。
窓の外は明るみ始めている。
私はベッドの上。
隣にサスケがいる。
…夢だった。
「大量に汗かいる。震えてた。それに唸ってた。何か悪い夢でも見たか?」
『サスケ……っ!』
「え…おい、泣くなよ。どうした?」
『怖かった…!』
「…そうか。大丈夫だ、俺はここにいる。」
『うん…。』
突然抱きついても、サスケはそれを受け入れてくれる。
そして、理由を聞かずとも、落ち着くまでそっとしていてくれる。
震える私を、宥めてくれる。
暖かい。
彼が好き。
ずっと側にいたい。
お願い、側にいて。
遠くに、行かないで。
夢と現実が混じり、私は自分自身を落ち着かせようとサスケの服をキュッと握った。
さっきのは夢だ。
なのに妙にリアルで。
何処かで見たことある気がして。
現実になる気がして。
頭が混乱する。
頭が、痛い。
「どうする、今日は家でゆっくりするか?」
『…ううん、大丈夫だから。今日は出掛けよう。楽しみにしてたもん。』
「そうか。」
サスケは私をゆっくり離して、目を合わせる。
そしてフッと笑った。
「まだ朝も早い。散歩に行こう。外の空気を吸えば落ち着くかもしれない。」
『うん。ありがとう。』
「今日は朝の修行は無しだ。早く準備しろ。」
優しく、優しく頭を撫でてくれるサスケを見て、私も自然に笑顔がこぼれた。
大丈夫、サスケはここにいる。
離れるわけなんて、ないじゃない。
だって私達は、小さい頃からずっと一緒に居たんだもの。
……小さい頃から、ずっと一緒に…?
突然ガンと金槌で頭を殴られたかのような感覚に陥る。
記憶が戻ろうとするときと、同じ感覚だ。
(…だめ、気を失ってはならない。サスケにこれ以上の迷惑は……!!)
気を失いそうになったが、寸前で耐えた。
ただ、サスケに迷惑をかけたくないという一心だった。
そして、異変に気付いたのだ。
あれ、私、さっき何を思ったのだろう。
何でこんなに、震えて居たのだろう。
先に見た夢は、何だっけ。